2013年8月1日木曜日

7月の読書記録

読む時間あんまとれんかった;
 エドワード・カーはだいぶ昔に読んだのを再読したのだけど、以前よりはすっきり理解できたと思う。まあ神経質にも「What is history?」って「歴史学とは何か」と訳すべきじゃねーの?なんて言ったりしてあるが、わりとどうでもいいことだね…。
 ほんとは7月中にウィトゲンシュタイン『哲学探究』、マルクス『経済学批判』『ブリュメール』を読むつもりだったのだが、思ったより忙しくて時間がとれなかった。8月の目標はまずこれらを片付けること……

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3181ページ
ナイス数:2ナイス

言語哲学―入門から中級まで言語哲学―入門から中級まで感想
意味の指示説の周辺(ラッセルの記述理論、クリプキの意味理論と指示理論)、意味論の諸説(命題、使用、心理、検証、真理条件)、語用論、隠喩について、諸説の紹介と欠点について概説。個人的には真理条件で少し置いとけぼりにされた感じがしてしまった…が、全体的に読みやすい。興味を持った理論への手引きにもなるし、良い入門書だと思う。
読了日:7月4日 著者:W.G. ライカン
マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)
読了日:7月4日 著者:マルクス,エンゲルス
賃労働と資本 (岩波文庫)賃労働と資本 (岩波文庫)
読了日:7月4日 著者:カール マルクス
賃銀・価格および利潤 (岩波文庫 白 124-8)賃銀・価格および利潤 (岩波文庫 白 124-8)
読了日:7月4日 著者:カール・マルクス
出版のためのテキスト実践技法 (執筆篇)出版のためのテキスト実践技法 (執筆篇)感想
基礎・入門。原稿の効率的な入力、整理の方法、そのためにはテキストエディタが有効であること等。
読了日:7月5日 著者:西谷 能英
イデオロギーとは何か (平凡社ライブラリー)イデオロギーとは何か (平凡社ライブラリー)感想
「Aという語には、Bの意味があるがそうでない場合もある。・・・Zの意味があるがそうでない場合もある」。結論「AにはB~Zの意味があるが、そうでない場合もある」。結局何も言ってないのと同じじゃないか?と思ってしまいそうだが、ウィトゲンシュタインが『哲学探究』で言っていたように、語のオリジナルがピンボケ画像だから、目的次第で自由に境界線を引っ張って使えばよろしいということか。著者がイデオロギーを六つに定義し、それぞれの語用をきっかり述べ、イデオロギーの戦略性を言及しているのはそういう狙いがあったんじゃないか
読了日:7月5日 著者:テリー イーグルトン
出版のためのテキスト実践技法 (編集篇)出版のためのテキスト実践技法 (編集篇)感想
原稿の検索・置換による原稿の効率的な整理の方法。テキストエディタ、SDEの正規表現やスクリプトのやり方。タグ付け。
読了日:7月8日 著者:西谷 能英
出版のためのテキスト実践技法 総集篇出版のためのテキスト実践技法 総集篇感想
テキストエディタを用いた編集の方法まとめ。ファイル変換、検索・置換、タグ付け
読了日:7月10日 著者:西谷 能英
出版文化再生: あらためて本の力を考える出版文化再生: あらためて本の力を考える感想
商業としての出版ではなく、文化行為としての出版
読了日:7月15日 著者:西谷能英
パッション (ポイエーシス叢書)パッション (ポイエーシス叢書)
読了日:7月17日 著者:ジャック デリダ
心的外傷の再発見心的外傷の再発見感想
歴史的な物語や人物の事跡に対し、心的外傷という視点から読み直しを図るという手法を取り、現代の事例と比較して考察している。例えばヒステリー、多重人格、自傷行為などの背景に、近親姦や身体的虐待といった心的外傷を読み取る、という具合。この論法の問題は、ヒステリーはみな児童期の性的虐待被害者になってしまいかねないことだろう。ただし「訳者あとがき」によると、心的外傷の記憶はウソと見なされがちであることに対し、編者らが抗議の意を込めて、心的外傷の事実性を強調しているようなので、その戦略を考慮すべきである。
読了日:7月18日 著者:
脳科学は宗教を解明できるか: 脳科学が迫る宗教体験の謎脳科学は宗教を解明できるか: 脳科学が迫る宗教体験の謎感想
もし「心」「意識」が脳の活動から生まれたものに過ぎないとすれば。神秘的に見える「宗教体験」も脳が見せている風景になるのか、非物質的に思われた「心」も物質が生んだ物質的な実在に過ぎないのか。このような問いを立て、唯物論的脳科学の妥当性の検証、宗教哲学との架橋を論じる。論者のなかで医学専攻は一人だけ、あとはみな哲学・思想系で、ほぼ全員が唯物論的還元主義の脳科学に批判を浴びせており、一見すると公平性に欠ける。ただわたしも、脳科学は世界を説明する形式言語の一種だと思うし、そのように捉えておくのが健康的な気がする
読了日:7月24日 著者:杉岡 良彦,藤田 一照,冲永 宜司,松野 智章
歴史とは何か (岩波新書)歴史とは何か (岩波新書)感想
厳密に言うと「歴史学とは何か」だと思う(邦訳の表題が直訳すぎ?)。戦後以降の歴史学世代のバイブルだと思うので、先行研究の背景を読み解く意味でも必須。古い本だけども、解釈や客観性の理解でもバランスが取れている。理性とか進歩とか成し遂げたこととか、細かいところではしっくりこない。現在や未来の成功のために役に立つことばかりを考えている時代で、いかに多くを棄て去っているかを提起するのも大事ではなかろうか(という風に言うと、その提起もまた未来への進歩のために有意義だと回収されるのだろう、プラグマティズムは嫌だ)
読了日:7月31日 著者:E.H. カー

読書メーター

0 件のコメント:

コメントを投稿