2013年6月2日日曜日

晋南朝の「増位」(2)

 「増位」が行われる場面を検討してみよう。

①皇帝即位
『晋書』巻7成帝紀
太子即皇帝位、大赦、増文武位二等、賜鰥寡孤老帛、人二匹。
②立皇太子
『晋書』巻9孝武帝紀
立皇子徳宗為皇太子、大赦、増文武位二等、大酺五日、賜百官布帛各有差。
③立皇后
『晋書』成帝紀
立皇后杜氏、大赦、増文武位一等。
④皇帝元服
『晋書』巻8穆帝紀
帝加元服、告于太廟、始親万機。大赦、改元、増文武位一等。
⑤ 改元
『宋書』巻7前廃帝紀
改元為景和元年。文武賜位二等。
⑥大赦
『宋書』巻9後廃帝紀
是日解厳、大赦天下、文武賜位一等。
⑦南郊
『宋書』巻5文帝紀
車駕親祠南郊、大赦天下。文武賜位一等、孤老六疾不能自存者、人賜穀五斛。

 と、代表的なものを挙げてみた。ほかにも反乱が討伐された後とか嘉禾が出たときとかにも行われている。
 またもちろん、全ての事例が截然と分類できるわけでもない。大赦、改元、即位、みたいな事例もあるし、⑦なんかは大赦に伴って「増位」が行われたのかもしれない。
 いずれにせよ、「おめでたいこと」があったときに行われる慣例であったようだ。

続きはこちら(晋南朝の「増位」(3))

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