2020年3月5日木曜日

論文を書きました

 拙論が公刊されました。

「東晋元帝期の北伐の理解をめぐって」、『史滴』第41号、2019年12月、pp. 47-70



 すでにいくつか反省点があり、銭大昕の引用がやや恣意的だとか、外征の事例をいろいろ挙げているけど司馬勲を挙げ忘れているとか、いろいろと自分に甘かったのが原因です……。

 企業に勤めながら書きましたが、やはり時間の確保が課題だなあと。
 といっても、職場に急な事件が起きないかぎりはほぼ毎日18時前には退勤できるし、まずい事態になっても月の時間外労働は30時間を超えるかな?程度なので、環境的にはめぐまれているでしょうが、それでも時間が足りないような気がして、つねにせわしなさを覚えていました。

 ようは、朝と夜は決まった時間になったら作業を中断しなければならないんですよね。「この作業キリがいいとこまでやりたい……!」というのができない。これはだいぶストレスでした。そして、限られた時間でなるべく先まで進めなきゃという焦りをいつも感じてしまう。

 給与があって作業できているわけだし、仕事をおろそかにしてまで作業に没頭するのは明確におかしい。有休とって作業あてるのはぜんぜん良いと思うんですけど、その結果同僚に負担かけまくるというのもちがうでしょう。連日定時ダッシュだったので、「いまこういう事情あります」的なことは言っておいたかな。ただそれでどう思われるかは自分の日ごろの振る舞いにも左右されるだろうから、一概に同僚に伝えておくのが良いとは言えないと思います。私は職場でまあまあ良いヤツキャラしているので、(表立って)反発されることはありませんでした。
 仕事でやることはきちんとやって、そのうえで執筆の作業を進めることに意味があると私は思っていました。時間を長くかけてコツコツやるしかないですね。

 もうひとつキツかったのが資料でした。母校の図書館をおおいに利用させていただきました。
 母校の図書館は、ジャーナルや書籍はだいぶそろっています。OBでも手続きをとれば書庫に自由に入れるようになるので、論文の複写は困りませんでした(そもそも図書館に寄るのがめんどくさかったというのは措いといて)。
 中国語の文献もだいぶ収蔵されていますが、やはりないものもあります。そういうもののなかで、どうしても参照しないとまずそうだと思ったものは、東方書店でCNKIカードを購入し、CNKIからPDFをダウンロードしました。このカード、だいぶいい値段しますので、最終手段的な感じがいいかと思います。

 ただ、OB生に書籍の貸し出しをしていないことには少し参りました。そこそこ厚い研究書とか借りることができないので、関係の深そうな章を複写していくしかなく。索引である程度のあたりをつけ、必要そうな章を複写、という感じで私はやりました。一日図書館にこもってもよかったかもしれないですが……。
 1冊まるごとぜんぶ読まないといけないかも、みたいなそういう感じの書籍は、めんどうだったのですべて買ってしまうことにしました。古本、新本、セールやら何やら、とにかく集めました。学生時代とちがって多少はお金あるんで。中国語の本は天猫で購入してしまいました。

 大学図書館のOB生への利用規定は大学ごとにちがうらしいので、上記のような環境ばかりではないでしょう。なお私は、国会図書館とかそういうとこには行きませんでした。

 今後どうするのかはあんまり考えていないですね。晋書の個人訳を掲載するサイト(https://readingnotesofjinshu.com/)を開設したのでよければそっちも見ていただければ嬉しいです。


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